似たような事故はあったのか?事故防止策は?

青木:今までこのような航空機の事故が発生したり、もしくは発生しそうになったりした事例はありますか?

鳥海:発生しそうになった事例は、日本国内でも1年に1回ぐらいの形ではあります。重大インシデントということで、国土交通省で調査をするという大きい案件にはなりますが、最終的には着陸する側の飛行機が気づいて、着陸を取りやめてまた再び上昇するっていう形で回避ができているケースがほとんどで、衝突したっていうケースは最近あまり聞かないです。

青木:ものすごい衝撃でぶつかって爆発して、機体も炎上していた中で、JAL機の乗務員と乗客全員が無事に外へ脱出できたことは奇跡という言葉がありましたけれども、いかがでしたか?

鳥海:JAL516便は17時47分に着陸して、最終的に機長が全員の脱出を確認したのが18時5分と、18分間で脱出が完了したということですが、着陸したポイントから駐機した場所まで1kmぐらい走行しているし、扉を開ける時間とか、緊急脱出のシューターを出す時間などを考えると、実質10分前後ぐらいで、300人を超える乗客全員を脱出させることができたということなので、これはすごいことです。日頃から1年に1回は必ず客室乗務員は、エマージェンシー訓練という厳しい試験のような緊急時の脱出訓練をやっていたということで、スムーズにできたのかなと思います。

青木:今後、日本を初め、世界的に空港や滑走路、誘導路などで、こういった事故を防ぐべく、オペレーションというのは変わっていくんですか?。

鳥海:基本的には今までもそれほど大きな事故起こっていないので、オペレーションを大きく変えるというより、まだ確認取れてませんが、海上保安庁の飛行機に関しては民間機に比べると衝突防止の機能でついてなかった機能もあったのではないかというところもありますので、目視で人間ができるところと逆に機械に頼った方がいいところ、ここの両方の部分で、もう少し徹底しなければいけないのかなと思います。