戦中、中国東北部に渡った旧満州の開拓団。
長野県からは全国で最も多い3万人以上が参加し、逃避行では捕虜になるよりは家族や自分の命を自ら断つ集団自決を迫られました。
この事実を伝えていこうと木島平村から「高社郷(こうしゃごう)開拓団」に参加した男性が本を出版しました。
本の一部:
「読経のもと父親が家族を、その父親を同胞が銃で撃ち殺す凄惨な自決が行われたのでした」

「満州開拓団『自決の地』からの生還~我が半生の記」。
満州での逃避行、集団自決の事実が綴られています。
出版したのは滝澤博義(たきざわ・ひろよし)さん89歳。
8月25日、中野市で4年ぶりに行われた開拓殉難者の慰霊法要に出席しました。
滝澤さんは500人以上が犠牲となった「高社郷開拓団」から帰国した1人です。
滝澤さん挨拶:
「真実を記事にし、1人でも多くの人に知っていただく責務の一環になればと、本を発行いたしました」
滝澤さんによると高社郷開拓団員の現在の生存者はわずか3人。
これまで高校などで体験を語ってきましたが、本を出版したのは、「悲劇を後世に伝える」という使命感からでした。

滝澤博義さん:
「私も年を重ねれば体験談を話すなんて言うのはなかなかできないし、記憶も薄れていったりするもんでね。書いたものを残して一人でも多くの人に知っていただいて」















