郵便局を退職したあと、60歳から灯ろうづくりを始めた金原さん。

近所の人に教わりながら腕を磨いてきました。


金原攸さん:
「(きっかけは?)ボケ防止(笑)。退職してやること何もなかったので何かしないといけないなと思って。後継者がなかなかできない中で、自分が携わって来れたというのはよかったなと思う」

自宅近くにある倉庫を作業場に改修。

機械や工具なども一から揃えました。

灯ろうづくりはほとんどが手作業。


40近い部品を丁寧に組み合わせ、障子紙をデザイン通りに切る細かい作業の連続です。

例年、新盆を迎えた家から依頼を受け、10基ほどを製作しています。

金原攸さん:
「最後の方に切り損なうとやり直しになるので1回1回丁寧にやっている」

金原さんは今年、自分の家族に向けた灯ろうも作りました。

長男の和永(かずなが)さん。


2022年11月、自宅近くを散歩していて乗用車にはねられ、53歳の若さで亡くなりました。

和永さんは生前、盆踊りが好きだったといい、祭り当日まで仏壇の近くに灯ろうを飾りました。


金原攸さん:
「盆踊りも天気がよくてできれば少しは行って踊ろうかな。無事にまた極楽浄土へ戻ってくれればいいなと思う」

祭り最終日。

和永さんのために作った灯ろうを持って金原さんが会場に向かいます。