高校生そろばん日本一に輝いた紙野さんも、中国大会に兄・大樹さんともに出場し、同じ舞台で兄妹が競い合います。

大学生の大樹さんも広島市商・珠算部のOB。小学2年生のとき、妹と同じ日にそろばんを始め、今もよきライバルです。日本一に輝いた妹については…

兄 紙野大樹 さん(関西学院大学)
― どんな妹?
「家ではもう溶けるように寝てばかりです。(個人総合優勝は)ぼくが取れなかったものなので、すごく自分のことのようにうれしくて」
聡実さんにとっても兄の存在は大きいようです。

広島市商 紙野聡実 さん
「一番近しい存在で目標であり、ライバルであり、先輩でもあるので、その存在から『おめでとう』って言ってもらえたのが本当にうれしかった」

中国地方のナンバー1を決める大会では、広島県代表チームがみごと優勝。種目別でも、読上暗算競技で紙野さんが優勝し、兄・大樹さんが2位。読上算競技では、紙野兄妹が2位になるなど優秀な成績を収めました。

中国大会を終えたばかりのこの日、広島市商・珠算部は、9月に開かれる県高校ビジネスコンテストに向けて練習に励んでいました。

部室には、輝かしい歴史を物語る数々のトロフィーや賞状が飾られています。顧問の 深井志葉 先生の高校時代の写真もありました。個人と団体で高校そろばん日本一に輝きました。

指導する 早川雅美 先生は、20代で広島市商・珠算部を日本一へと導き、全国大会の団体優勝は7回を数えます。60歳を越えた現在は部活動指導員という立場で関わっています。

読上算の練習では通常、大会でおよそ25秒で読み上げるのを、早川先生にかかると、どんどん読み上げるスピードが上がっていきます。部員と先生の真剣勝負が繰り広げられます。
読上算の練習
「はい。6806億5300万3601円です」
