被災した住民自ら運営 新たな防災拠点が誕生

近藤志保 気象予報士
「JR梅林駅から少し山側に入った位置に建てられたのが、『広島市豪雨災害伝承館』です」
9月1日にオープンする豪雨災害伝承館は2階建てで、正面玄関は公園から通じる2階にあります。
1階には最大120人を収容できる研修室が設置され、学校や防災組織の研修などに利用されます。研修室は避難所としても想定されています。2階は展示エリアで被災者の体験談の映像や、当時の土石流の状況を伝える映像や写真が並びます。

広島市豪雨災害伝承館 高岡正文 館長
「やっとってのじゃないなあ。さあ、やるぞって感じかな」
館長を務める 高岡正文 さんです。豪雨災害伝承館ができたのは、高岡さんなど地元の住民でつくるグループの声がきっかけでした。高岡さん自身も9年前に被災した住民の1人です。
高岡正文 館長
「自宅は結局、全壊で。全壊認定されて(2か月後の)10月中旬くらいに壊してもらったかな。わたしは家内と1番下の娘と3人で暮らしていたんですけど、無事、生き残りましたので」
高岡さんの体験は、被災したほかの4人の証言とともに映像として紹介されます。

高岡正文 館長
「当時、ぼくは家の外にいましたので、実際にこの雨の降り方、雷鳴…。それが今、話題の線状降水帯なんだよね、知らなかったけど。本当、目の前に1メートルくらい前に大きな岩が。しかも木がいっぱい流れてきて。だからあれは間一髪だな」