広島市 松井一実 市長
― 市長は常々、まちづくりの領域の1つに「平和への思いを共有するまち」を挙げています。この言葉に込めた思いは?
「思いというか考え方を整理しますと、原子爆弾を投下されて壊滅的な打撃を受けたね。人も住めなくなる、街も破壊される、そういったこの街が戦後、着実に復活してきて78年。どうしてこういうふうにうまくいったんだろうと、どなたも考えるんですよね。そのときにまずは間違いなく、まちづくりをした先人・先輩がいるということ。その先輩という存在の努力のたまものなんですよね」

松井市長は、平和のまちづくりの原点として1つの法律をあげました。1949年、原爆投下の4年後に制定された「広島平和記念都市建設法」です。「平和を実現する理想の象徴」として、国などの関係機関が広島市に「できる限りの援助」を与えることが書かれています。

広島市 松井一実 市長
「その象徴的な意味と、それを使っていろんな制度が動いて、今の広島があるっていうことを確認したときに、これを中心にまちづくりをやるべきだというふうに思いまして、市長をやっています」