放射線影響研究所は、原爆による放射線がDNAに与える影響を調べるため、被爆者と被爆2世の「ゲノム解析」を始めたと発表しました。
放射線影響研究所 神谷研二 理事長
「慎重な準備と厳格な倫理審査を経て、全ゲノム解析によるトリオ(両親と被爆2世)調査を実施できる体制が整いましたので、トリオ調査を開始することと致しました」
放射線影響研究所がきょうから開始した全遺伝情報=「ゲノム」の解析は、親が受けた被爆が子どものDNA配列に与える影響を調べるもので、およそ10年にわたり準備を進めてきました。
広島と長崎の被爆2世580人とその両親の、あわせて1400人を対象に血液から分析します。
被爆2世は、両親の放射線量が高いグループと低いグループに分けてDNAが変異した数を比べます。放射線医学などの領域で役立つ情報を得られるということです。

放射線影響研究所 神谷研二 理事長
「原爆放射線がゲノムに及ぼす影響の基礎的知見が集積され、今後の遺伝的影響の解明に寄与できることを期待しています」
年明けに、実際にゲノム解析を行う外部の研究機関を選定し、来年3月ごろから同意を取れた2世らの解析作業に入るということです。放射線影響研究所では「5年後をメドに論文で研究成果を発表したい」としています。


































