新型コロナウイルスの新規感染者は、広島でも再び増加傾向となってきています。きょうは、こういった第8波ともいえる状況についてお伝えします。現役医師に現状と今後の懸念を聞きました。広島市立舟入市民病院の高蓋寿朗 院長です。

8月以来、コロナ病床のフロアに入りました。

広島市立舟入市民病院 高蓋寿朗 院長
「(パーティションは)あそこからにしているんですよ。以前はここにもパーティションをしていたんですけども」

以前はフロアの半分20床をコロナ病床として使用していましたが、先月中ごろから4床分を一般病床に戻しました。

広島市立舟入市民病院 高蓋寿朗 院長
― 第8波が来ているとみていい?
「もう第8波の入り口と言ってもいい変化が起こってきていると思っている。うちの病院でも(コロナ病床は)10月は感染エリア16床でやっていて、患者5~6人まで減っていたが、今、10人くらいに増えていて、毎日、(患者が)ちょっとずつ入っては帰るという状況が始まっている」

「外来での検査の陽性率は明らかに上がっている。感染は一回、落ち着いてからまた増えているというのは体感的にもある」

― 学校で数十人規模で感染者が出ているところもあるが、子どもが感染した場合は?
「子どもさんの場合は多くは軽症なので過剰に心配する必要はないが、軽いがゆえに、軽いからといって登校すると、学校での感染が広がることがある」

「少しでも微熱があれば、いったん休んでもらって、自宅でも高齢者とは接触を避けるなど、家族は心がけることが大切」
― これまで波のたびにオミクロンやBA.5という新しい型、変異があったが、今回、変異株については?
「オミクロン株の変異株に代わると予想されている。広島県内は今、調査をしているところ」

「新しい株に代わってくると、今までにコロナにかかった方やワクチンを打っている方でも感染を起こしてしまうので、変異株が出てくると、患者が増えると危惧している」

― 行動制限がない中でまた感染拡大する懸念は?
「陽性の方を外来診療できる施設がいまだに限られている状況があるので、このまま第8波で、しかもインフルエンザもかぶってくる状況で患者が増えると、外来診療が回らなくなることを懸念している」
