災害時 食物アレルギー対応の現在地

一方、広島県三原市では、矢島さんたちの助言などをうけ、災害備蓄の見直しを実施しました。備蓄拠点には、アレルギー対応の粉ミルクを追加。また、市内44か所の避難所には、アレルギー物質28品目不使用のアルファ化米や、ライスクッキーを配備しました。

誤食を防ぐためのビブスも避難所に用意しました。3月には、避難所でアレルギー対応も含めた温かい離乳食を提供できるよう、新たに協定を結ぶことにしています。

三原市危機管理課・宗近誠治課長
「どうしても備蓄をするだけでは品目にも限りがありますので、災害時には(メーカーなどに)避難所の方に届けていただくなどの協力をお願いするようなことを今も行っております」

長男に小麦や卵、牛乳などのアレルギーがある後岡さんは、7年前の教訓を踏まえ、自宅の1階に、防災バッグを準備しました。中には、アレルギー対応の食材とともに、ビブスも入っていました。

母・亜希さん
「これ1個あるとすごく安心です。私の中では。やっぱり親切で(周りの大人が)いろいろくれたりするかもしれないので」

子どもたちが食べ慣れた食材のローリングストックも続けています。後岡さんはこうした備えに加えて普段から身近なところでつながりを持つことも大事だと話します。

母・亜希さん
「地域でつながっているグループが大きくじゃなく小さく点々とあればもっと助け合って、情報交換もできるし、不安も解消できるかなと思います」

自分で身を守る「自助」を進めつつ、いかに食物アレルギーへの理解者を増やしていくか。今後の大きな鍵となりそうです。