現在、広島市が管理する市内の下水道管の総延長は6110㎞。直線距離にすると広島市からパキスタンまでの長さになります。

そのうち耐用年数とされる「50年」が過ぎた管は全体の8%にあたる470㎞。最も古い管では明治時代の1910年と、100年以上が過ぎたものも一部、残っています。

ただし、50年が過ぎたら「更新しなければならない」というわけではありません。

こちらはコンクリートの表面が腐食して、砂利がむき出しになった老朽化した下水道管の調査映像です。

広島市は、エリアごとにこうした点検・調査を続けていて、緊急性の高いものから工事を進めています。

広島市中心部では、緊急性を判断するための調査が行われていました。

三洋企業 池田建悟さん
「下水道管の中を撮影しながら走らせて。一番先はカメラなんですが、右の壁に異常があれば、このように異常箇所をピンポイントで狙います。髪の毛の太さのクラックも見つけ出して、クラックが何㎜、何㎝あるのかも測って表示してくれます」

作業員
「では下ろしますね」

マンホールからカメラを下ろして…。直径20㎝の管の中を詳細にチェックしていきます。周辺のビルの排水が流れ込むこちらの下水道管。塩化ビニール製で、23年前に敷設されました。

三洋企業 池田建悟さん
「管のつなぎ目の真下に来ています。つなぎ目が欠けていないか、隙間から木の根っこが出て破損させる場合があるので、管の中にも異常が無いと写真を撮って」

この日、調べた範囲は17m。報告書にまとめて広島市に提出します。

三洋企業 池田建悟さん
「水や土砂が流入していることもない。アスファルト・地面の異常や陥没につながることもないので「安心して使えますよ」という報告になると思います」