バスの運転手不足は、路線の廃止や減便などに直結し、わたしたちの暮らしにも大きく影響する問題です。運転手の声を聞いて人材の流出を防ぎ、安定的な確保につなげるべく、広島市やバス事業者でつくる協議会はことしの秋、広島市を走る現役のバス運転手271人にアンケートを実施しました。

◆質問1.バスの運転手のどこに働きがいを感じる?(複数回答)
・人流を支える社会的意義:48.2%
・乗客の感謝の声:47.4%
・大型車両を運転するかっこよさ:27.0%
・会社への貢献:15.3%
・そのほか:14.2%
→半数近くが”社会的意義”と”乗客の感謝の声”を挙げる

◆質問2.カスタマーハラスメントへの不安は?
・とてもある:42.8%
・ややある:34.7%
・ほとんどない:19.9%
・まったくない:2.6%
→不安を抱える運転手が4分の3に

◆質問3.待遇面に満足している?
・満足:7.7%
・やや満足:11.8%
・普通:17.0%
・やや不満:28.0%
・不満:35.4%
→”やや不満”や”不満”が約6割に

不満を持つ運転手が多い”待遇面の向上”や、近年の燃料費の高騰や物価高騰(車両費・修繕費など)に対応するため、10月、広島市中心部を走るバス事業者各社は、中心部のバス均一運賃を来年2月に現在の220円から240円に引き上げる方針を示しました。

この方針について利用者はどう感じたか、広島市が実施したインターネットアンケートの結果は、2年前に運賃を改定したばかりということもあり、「理解できない」「どちらかと言えば理解できない」との声が56%を占めました。

ことし、路線バスはもともとの運転手不足に加え、退勤から出勤までの休息時間の増加や残業時間の規制といったバス運転手の働き方改革、いわゆる”2024年問題”で、都心部や中山間地域を問わず、減便などの影響が出た地域が多くありました。

生活の足を守るライフラインとして今後も維持するためにはどうしたらよいのか。事業者の一層のアピールや説明、行政のサポートはもちろん、私たちも”あって当然”の存在だった”路線バス”が岐路に立っているという意識を持つ必要がありそうです。