換気が不十分な工事現場でエンジンポンプを使ったとして、広島北労働基準監督署は5日、広島市安佐南区の土木工事業者と、その会社の課長の男性(34)を、労働安全衛生法違反の疑いで書類送検しました。

労基などによりますと、業者らは1月、安佐南区緑井の道路下に埋設された用水路の暗渠(あんきょ)で、自然換気が不十分な場所なのに、排気ガスによる健康被害を防止するための換気をせず、内燃機関のあるエンジンポンプを使用した疑いが持たれています。

当時現場では、作業員4人が用水路の流れを良くするため、堆積していた土砂をエンジンポンプを使って除去する作業を行っていました。

この作業中に、エンジンポンプの排気ガスが充満して4人は一酸化炭素中毒になり、他の作業員が「一酸化炭素中毒と思われる。4人が暗渠から出てこない」と119番通報。病院に運ばれましたが、4人とも命に別状はありませんでした。

労基は捜査に支障があるとして、業者らの認否を明らかにしていません。