海上自衛隊呉基地…。その地下には、旧海軍が建設し、今も全容が明らかになっていない、地下施設があります。新たに確認された地下壕の調査に、独占密着しました。

「そのまま行きます。腹ばいじゃなく、反対がいいですよね」
「こっち側だと、ここが急なので、ここを降りてくる方がー」

地下壕に入ったのは、広島工業大学の光井周平准教授、呉工業高等専門学校の上寺哲也准教授と学生でつくる調査チームです。海上自衛隊と連携して、呉基地に旧海軍が建設した地下施設の学術調査をしています。

今回初めて調査したのは、旧呉鎮守府=現在の呉地方総監部庁舎から南側、およそ200メートルにある地下壕です。

この地下壕…。入口は確認されていましたが、史料が残されていないため、内部に何があるのか分かっていませんでした。

地下壕の調査は、5年前から始まりました。こちらのスペースは、幅14メートル奥行が15メートル、高さは最大で6メートルの半地下構造になっています。

当初は、旧呉鎮守府地下作戦室と考えられていましたが、戦後撮影した写真などを調べた結果、電話交換所と判明しました。そして、調査を進めると、この壕よりさらに奥に、地下壕の「中枢」ともいえる巨大な施設があることが分かったのです。