西日本を通過した台風15号の後、再び猛暑が戻ってきました。連日続く「熱中症警戒アラート」。広島県は9月6日時点で52日と過去最多を更新していますが、トップの和歌山県(59日)・長崎県・兵庫県に次ぎ、全国4番目の多さです。

かつては避暑地として知られた広島県北部の庄原市でも、厳しい暑さは作物に大きな影響を与えています。
長曽りんご園 長曽勇樹さん
「果面がオレンジ色になり、日焼けしている」
標高500メートルあまり。30品種を栽培している庄原市高野のりんご園です。

9月下旬に出荷予定の「ひめかみ」は、色づきの良さが特徴ですが、日焼けした部分が柔らかくなったり、傷んだりする被害もあります。
長曽りんご園 長曽勇樹さん
「小ぶりなリンゴが多くある。できる限り水はやるが、天候には勝てない」
庄原市高野では盆休み前の3日間で平年1か月分の雨が降りましたが長くは続きませんでした。その一方で、平年の最高気温30℃を下回る場所とは思えない厳しい暑さが続いています。

本来、春先に霜を防ぐために用いるスプリンクラーで、水をまくなどの対策をしましたが、暑さと水不足の影響は避けられません。
平均250グラム以上の重さがある「ひめかみ」も2025年は200グラム前後が少なくありません。

農家では日焼けしにくい品種の栽培を増やすなどこれまでにない環境への対応を迫られています。
長曽りんご園 長曽勇樹さん
「産地を守りたい。できるだけ栽培を続けていきたい。(地元農家の)意見を聞きながら対策を考えたい」