被爆した女性の思いを受け止めた20代女性は…

切明千枝子さん
「もう本当にね、私の丸裸の私。さらけ出した、本当に恥ずかしい歌集なんでございますが」

佐藤優さん
「それを初めて読んだ時に、これはいろんな人と一緒に受け取りたい言葉だなっていうのを思いました」

原爆の日を前に開催された歌集の出版記念講演会には、100人もの人が集まりました。

参加者たち
「すごくその場にいたような気持ちになりました」
「31文字という短い間に情景が思い浮かぶ、そんな歌がたくさん詰まってて」
「胸に迫るものが。まだ最初の方しか読んでないんですけど、ゆっくり読みたいと思います」

歌集「ひろしまを想う」には、切明さんが60年ほど前から詠みためてきた短歌のうち500首が掲載されています。

編者の佐藤優さんは、東京在住の大学院生です。広島市立大学の学生だった3年前、切明さんと知り合い、何度も通うようになったそうです。

佐藤優さん
「広島に住んでる時は、週に1回来ている時もあった…」

切明千枝子さん
「もう何度もお会いした人でも忘れちゃったりしてね、どなたでしたっけ?なんてね。佐藤さんだけはお顔見ればわかる。はっはっは」

この日、歌集の全ての原稿を切明さんに最終チェックしてもらいました。

切明千枝子さん
「あのね、高等尋常小学校って、(原稿に)あるんだけど、そうは呼んでなかった。尋常高等小学校…」

佐藤優さん
「逆?…うわ!!!」

切明さんは、語り部となるずっと前から、思いを短歌に詠んでいて、それは、1500首以上ありました。

佐藤優さん
「本当は一緒に選びたいなって思ったんですけど、それは選べないということだったので、じゃあ、私の心に届くもの、短歌を知らない私みたいな人にも届くような歌(を選んだ)」