さらにヒーローインタビューでは、この日の打席は並々ならぬ思いでバッターボックスへ向かっていたことがわかりました。

松山竜平 選手
― きのうのゲームでは代打でくやしい思いがあった中で借りを返す、そんな1本だったんじゃないでしょうか?
「そうですね。本当にもうくやしくて、もうちょっと、何回も寝ても目が覚めて、それぐらいくやしかったので…」

ヒーローになる前日(5月3日)、2点ビハインドで迎えた8回ウラ、3塁・2塁、一打同点の場面で代打起用。その一打に期待がかかる中、内野フライ…

松山竜平 選手
「本当に絶好の場面だったし、そういう場面を逃していたっていうのもあったので、きょうこそはっていうのはあったんですけど。初球から甘い球を打ちにいけたのはよかったけど、そこで仕留めきれなかった自分というのが情けないなと思って。正直、ぼくは開き直っている部分があるので、1打席で打てなくてもしょうがないぐらいで気持ちを楽に行こうと思ってやっているので、その夜だけは本当に自分のバッティングでもなかったですし、そこがもうくやしくて、はい。起きちゃうんですね。本当に1時間おきぐらいに目が覚めて、『うわあ、マジか…』って」

勝つか、負けるか―。そのターニングポイントでバッターボックスに向かう38歳。1打席にかかる重圧は計り知れません。だからこそ、5月4日に放った2年越しの一発には特別な思いがありました。
