2015年に東京の渋谷区と世田谷区から始まった、同性カップルを証明するパートナーシップ制度。あれから9年が経過し、パートナーシップ制度は日本全体の人口に対するカバー率は75%を超えてます。しかし「同性婚」については依然として法制度の整備は進んでいません。

こうした中、「多様な家族のかたちを伝えたい」とSNSで子育ての様子や、性の多様性を発信する同性カップルがいます。

大学生までは男性と付き合うも、22歳で自分の性を確信

北谷町出身のmato(マト)さん。現在2歳になる子どもを、女性ふたりで育てています。

matoさんは、2年前から自身の体験をSNSで発信してきました。しかしSNSだけでは若い世代にしか伝わらないのを感じ「色んな世代に多様な家族のかたちがあることを伝えたい」。その思いで去年、新聞の取材を受けることに決めました。

同性カップルで子どもを育てるmatoさん
「ちゃんといる、実在している。という。ブログとかSNS上って、ちょっとどうにでもなる部分ってあると思うんですけど、自分が顔を出さないとか、名前を出さないというよりかは、しっかり伝えて」

現在は、性の多様性への理解を広げるため、大学や自治体などで、自身の経験を伝える活動を行っています。

同性カップルで子どもを育てるmatoさん
「こども園に通う子どもたちが『パパ、ママ』っていう事を言うので、うちの子どもも『パパ』とか言い始めるときがあって、あー、そっかー、パパがいてママがいるのが自然っていうか、それが子どもの中にも」

Qちなみに、その時は何て返すんですか?
「うちは、ママふたりだよ~みたいな感じで返してますけど」

同性を気にし始めたのは小学生の頃。それでも大学生までは男性とお付き合いをしていました。自分の性を確信したのは、22歳になってからでした。

同性カップルで子どもを育てるmatoさん
「大学の時に初めて女性とお付き合いした時に、これが私にとって、とても自然だなっと感じて。男の人が嫌いとかではないけれど、女性といるほうが自然。なんか居心地良いなと思ったときに、自分はレズビアンなんだなって自覚しましたね」

自分の性は自覚しましたが、昔から子どもが欲しいと思っていたmatoさん。いずれは男性と結婚しなければならないと感じ、そろそろ婚活を…と思っていた矢先に出会ったのが、現在のパートナー・さつきさんでした。

同性カップルで子どもを育てるmatoさん
「パートナー自身が『次付き合う人とは家族を築きたい(子どもが欲しい)』っていう思いがあったので、付き合う前に『将来のビジョンを描けないなら、付き合わなくてもいい』と彼女に言われたことが、すごく衝撃的で、やっぱりレズビアンの自覚が、ずっとあったので、あ、女性同士でもそういう選択をしていいんだって思って」