およそ100年前の石垣島の人々の暮らしの様子などを描いた「画稿」と呼ばれる下絵を展示した企画展が、石垣市の八重山博物館で開かれています。

展示されている画稿は、琉球王府時代に八重山の出先機関である蔵元の絵師2人が描いたものです。

150年ほど前から明治中期までの庶民の暮らしや祭りの様子、漂着した外国人まで様々なものを記録した27点が実物や写真などで展示されています。

このうち明治の初期に描かれたとされる、夫婦を描いた図は妻と酔った夫が喧嘩をしている様子が描かれていて、当時の食器や手の描き方を思案した様子などが見てとれます。

これらの画稿は、大正末期に八重山に調査で訪れた、沖縄文化研究者の鎌倉芳太郎が絵師から直接ゆずり受けて本土に持ち帰り、保存処理を施した上で復帰後に石垣市へ寄贈したもので、2019年に国の重要文化財に指定されています。

この企画展は入場無料で来月19日まで石垣市立八重山博物館で開催されています。