41市町村の魅力を紹介するわがまちLink41。今月は東村です。
東村の村花ツツジを堪能できる「村民の森つつじ園」の歴史を紹介します。
日本一早いツツジの開花が楽しめるこの園には、村民たちの希望が詰まっていました。
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「東村の自然公園村民の森。こちらには東村屈指の観光スポットつつじ園があります。いったいどういう経緯で作られた園なのか、さっそくお話を伺いに行きます!」
赤やピンクのツツジが咲き誇る「村民の森つつじ園」34000平方メートルの敷地には、在来種のケラマツツジなど5万本あまりが植えられています。

園ができたきっかけは、村経済の転換の過程にありました。
東村・當山全伸村長
「まず東村は林業が主要産業だったのが、燃料の革命でガスコンロに代わっていって、薪が売れなくなった。そういう中でパインを選定してそれを徹底して奨励しながら普及していく。林業から農業に転換を図っていた」
開発が進み徐々に注目を集めた東村でしたが、1960年ごろからあるトラブルが多発しました。園芸ブームに伴って、東村に多く自生していたツツジが大量に盗難被害にあったのです。

東村・當山全伸村長
「絶滅の危惧があるというので、東村の当時の宮里松次村長が、ツツジを保護するというのと、地域の自然を守りながら観光に結び付けていこうという発想のもとにつつじ園の造成に着手した」
宮里松次元村長によって進められたつつじ園の造成計画。挿し木などで4万本に増やしたツツジの苗木を植える作業など、すべての工程が、建設業者ではなく村民の手によって行われました。

東村の婦人会で活動した仲嶺久美子さん
(Q期待と不安とどっちが大きかった?)
「期待です。期待だったと思うよね」
東村の婦人会で活動した宮城光江さん
「やっぱり山依存生活から脱却したいという気持ちは皆さんあったので、つつじ園をつくる大きな夢に向かってみんな協力し合ってやっていたんではないでしょうかね」
当時婦人会のメンバーとして作業にかかわっていた皆さん。苗の植え付け作業の指揮を執るなど造成を推し進め、1983年のつつじ園完成に大きく貢献。同時につつじ祭りも始まり、多い年でおよそ8万5000人が訪れました。

仲嶺久美子さん
「その当時は大根がよく売れたんですよ」
仲村和子さん
「赤土大根とかね~大根祭りっていうくらい。つつじ祭りじゃなくて大根祭りじゃないかねってくらい」
仲嶺久美子さん
「毎年それが各団体の励みにもなるし収益にもつながるし、農家もつつじ祭りに向けてみんながいろんなものを作って、売るという目的がありました」
つつじ園の完成は村民にとっての観光元年となり、東村が活気に満ちていきました。
また、つつじ祭りを盛り上げるために、婦人会が中心となってオリジナルのつつじ盆踊りも披露。今ははっぴ姿ですが、開園当時はほとんどがおそろいの浴衣で踊っていたといいます。

東村の婦人会で活動した喜友名サヨさん
「改めて良いねえって若いころ思い出して」
東村の婦人会で活動した仲村和子さん
「婦人会のOBでいつか披露しましょう」
林業から農業、そして観光業へ。村民の森つつじ園を訪ねると、東村の発展を願った人々の姿がありました。