ことし5月からは新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に引き下げられたことで、医療の現場では、限りある医療資源を有効に使うために、“療養先の調整”という新たな負担が増えています。救急外来を担う病院の現場の現状を取材しました。

5類移行後も病院はいまだ大きな負担 ベッドがない状況も 

県内最大の民間総合病院、豊見城市の友愛医療センター。救急室も備え、臨戦態勢で患者を迎えています。

救急隊員
「男性患者です。もう我慢できなくて救急車を呼んだよう」

友愛医療センター救急科 山内素直部長
「心筋梗塞じゃないよというのを確認したいのと、もしかしたら熱中症かもしれないし、コロナの検査もさせてもらってもいいですか。そこまでしましょうね」

救急外来(ER)で、およそ40人の職員を指揮するのは山内素直医師。腹痛や骨折などで様々な病気やけがで運ばれてくる患者にチームで対応します。

この医療体制に負荷をかけているのが新型コロナウイルスの流行です。

先月から今月23日までの新型コロナ感染者の受診は去年は191人でしたが、ことしは同じ期間中に339人と大幅に増えています。

友愛医療センター救急科 山内素直部長
「心肺停止でドクターカーに呼ばれていったら、療養していたコロナ患者だったとか。重症のコロナ患者にあたることもあるし。先週とか全然ベッドが無くて」

20床用意されていた専用のコロナ病床は、この日は残り1床。前の週はほぼゼロだったといいます。

感染確認までにはタイムラグがある中、思わぬ対応を求められることもー

友愛医療センター救急科 山内素直部長
「経過観察中の患者を家に帰そうかと思ったんですけど、奥さんが陽性と分かって、検査が陰性だったけどもう一回やろうと。時間をおいて検査したら、陽性だったので。コロナですね」

時間差で新型コロナ陽性が判明した患者に、残り1床しかない病床を充てるべきか、難しい判断を迫られました。