認知症の人が、外出したまま家に戻れず、行方不明になることがあります。その捜索は、家族や支援者にとって心身共に大きな負担となっています。認知症の人とその家族をサポートするITサービスの体験会が、那覇市で開かれました。

認知症の人が外出したまま家に戻れなくなる『道迷い』。沖縄県警によると、認知症やその疑いがある行方不明者の届け出は、去年1年間で90人にのぼります。
認知症の人の家族は、不安を抱えていますー
認知症の人と家族の会メンバー
「不安はやっぱり、帰れなくなるっていう部分ですね」
「夜中に鍵が開く音が聞こえたら、やっぱりドキッとしますね。これだったら風邪ひくから部屋に戻ろうっていう形で戻すっていうことはありました」
認知症の人の『道迷い』を、ITの力で見守ろうと、6月14日にシステムの体験会が開かれ、認知症の人の家族や、高齢者をサポートする地域包括支援センターの職員などが参加しました。
みらいファンド沖縄 平良斗星さん
「電波をちゃんとキャッチするセンサーがこれ。非常に小さいですね」

今回紹介されたのは、県内企業が開発した『ミマモライド』と呼ばれるシステムです。
発信用のタグを身に着けた認知症の人が、センサーを内蔵した自動販売機や建物の前を通過すると、家族や支援者などに居場所が通知される仕組みで、捜索にかかる時間の短縮が期待されています。
主催したNPOグランアーク 阿波連愛香看護師
「すぐ1日目で保護される方もいれば、保護までに2日近くや数日かかる人、あと年間1人ぐらいは毎年行方不明のままの方がいらっしゃるっていうのが起きていて、それを迅速に解決するっていうことをしたい」

認知症の人役と捜索をする人役に分かれ、体験がスタート。メッセージアプリLINEに、認知症の人役が通過したポイントが地図とともに通知されます。