ヨットやモーターボートなどを係留したり、保管する機能を持つ港湾施設=マリーナ。船の所有者からは馴染みのある場所かもしれませんが、それ以外の人たちは足を運んだことのない場所かもしれません。沖縄県内には複数のマリーナがありますが、その中でも『与那原マリーナ』はちょっとすごい機能を持っているといいます。
與那嶺キャスター「様々な形の船がずらっと並んでいます、与那原マリーナにやってきました。きょうは今後さらなる発展が期待される与那原マリーナの魅力に迫ります」
沖縄本島の東海岸、中城湾港に面する『与那原マリーナ』。案内してくれるのは、港長の安次富正人さんです。
安次富さんの案内で早速、港内を見てみると…

與那嶺キャスター「あれはドイツの国旗ですか?」
安次富さん「ドイツですよ」
與那嶺キャスター「外国の船も結構止まっているんですか?」
安次富さん「外国の船が年20艇ほど来ます」
与那原マリーナでは、海上と陸上合わせておよそ300隻の船が停泊できますが、外国船の入港も増え、空きがない状態が続いているそう。
安次富さん「大体満杯です。『まだ空きませんか?』としょっちゅう電話がよくきます」

その人気の秘密が、こちらのホイストクレーン!国内初、幅10メートルの大型ヨットをつり上げることができる国内最大級のクレーンです。クレーンは、特別な資格を持ったスタッフがコントローラーで細かく操作します。
渡嘉敷治さん「船によって構造が違うのでオーナーさんとのコミュニケーションでポイントを決めていく、そこが楽しいですね」
このクレーンがあることで、船の陸揚げやメンテナンスが比較的安く、効率的に行えることから船主からの需要が高まっているんです。

かつて東海岸の交通の結節点として栄えた与那原。本島北部から船で木材が運ばれたため、海岸周辺には”シチバ”と呼ばれる材木置き場が点在。今も町内の港地区には、材木店が並び面影を残していますが、活気は失われつつありました…
1991年、そんな与那原地域の活力を取り戻そうと『中城湾港マリンタウンプロジェクト』がスタート。1996年から埋め立て工事が始まり、周辺のビーチや公園などとともに与那原マリーナも整備されました。
供

用開始から7年余り、船主だけでなく市民にも認知してもらおうと、安次富さんらは去年、町と連携してマリーナ内での祭りを開催しました。
安次富さん「もう一般の方が大変喜んで、年3回くらいは一般の方にも開放してお祭りも兼ねてやれば、与那原町にとっても良いのかな」
そんな中、今新たに計画しているのが―
安次富さん「このボートなんですけれども、免許がなくてもこのエンジンで港内を走ることができます」

免許がなくても操縦できる小型ボート体験です。というわけで、一足先に体験させてもらうことに…
與那嶺キャスター「なかなかまっすぐ進めない、まっすぐ行かない…」
運転を続けていくと、徐々にコツが掴むことができ海風を感じる余裕も出てきました。

安次富さんは『市民に開かれた港』を目指そうと意気込んでいます。
安次富さん「与那原にMICEが出来ると周辺が活気づくんじゃないかなって気はするし、期待しています。一般の方にももっと楽しんでいただけるようなマリーナにしていきたいと思います」
与那原町を訪ねると、地域に活気をもたらす港とその港を守る人々の姿がありました。
【記者MEMO】
与那原マリーナは実は、セーリング日本代表も合宿を行っています。その理由は与那原沖が次のオリンピックが行われるフランスのマルセイユとコンディションが似ていることから、合宿地に選んでいるそうなんです。比較的湾が大きく、沖合に開けている地形が似ていて、様々な波や風のコンディションで練習ができるとのことで、セーリング日本代表は、ことしの冬も与那原町での合宿を予定しているということです。