宜野湾市のボクシングクラブオキナワ。プロ・アマ合わせ30人のボクサーが日々トレーニングを積んでいます。厳格な体重管理が求められるボクシング競技。そんな選手たちを支え、今注目を集めている、ある食品があります。

泉川寛愛選手「減量にもやっぱり向いてて、食感とか歯ごたえもあって、カロリーとかも低いんで、こういう減量とかしている競技とかには向いてると思います」
松村輝紀選手「小腹すいた時にパンチのある物、硬さもありますから、食べて腹の足しになると言うか、気を紛らわす意味でいいのかなと思います」

選手たちから評判の食品、その名も「トンピ」。使い道がなく、大量に廃棄されていた豚の皮を使い、ノンフライ製法や焼きにこだわり生み出した『高タンパク』『糖質ゼロ』の商品となっています。
『トンピ』を製造するのは電設資材の卸業者!畑違いの分野に挑戦
実はこの『トンピ』を開発、製造しているのは浦添市で電設資材の卸を行っている“日新電器産業”!畑違いの分野ながら社是に掲げる『日々革新』のもと、自由な発想で挑戦し開発したといいます。
日新電器産業 上間社長「当社では同じ市場で同じ売り物・商品は販路が広がらない。そういう考え方持ってますので、そういった風土の中で食品事業部のトンピがオリジナル商品として出たのも、会社としては今までの歩みからしても、当たり前に出てきたものかなという気はしますね」

2022年、日新電器産業の食品事業部門が独立し設立された『日新ミートフーズ』。順調に売り上げを伸ばす食肉加工商品に注力するため、2020年には工場も新設されました。ここでは主力商品の『金アグー』から『トンピ』まで様々な食肉の加工が行われています。
西銘工場長「製造量は1日に16キロくらいですかね、パック数で言うと300から400パックくらいは製造していますね」

これまでは使い道がなく、捨てられていた豚の皮。試行錯誤を重ね、たどり着いたのが『幅3ミリ』だといいます。この3ミリの豚皮を、こだわりの“焼き”で仕上げることで、トンピ独特の食感が生まれます。
西銘工場長「揚げるのと焼くのとでは食感とか香りが違ってくるかと思います。焼き上げの方法はちょっと企業秘密でして」

焼き方はノンフライにこだわることで、豚皮の油が抜けきり、重さも7割ほど減ると言います。切って、焼いて、味をつける。とてもシンプルな工程だからこそ、こだわりの“焼き”がとても重要となってきます。
Q一番最初のアイディアっていうのはいつ出てきたんですか
日新ミートフーズ営業部 石川昇吾部長「2021年の南風原町商工会の商品開発事業で少し参加した時にそこでのテーマが『もったいない優しい』だったんですよ。そこで着目したのが日頃、廃棄、多く回っている豚皮だったんです」