「回避できた最後のタイミング」は…
―― 責任関係の特定については
遠山氏: 両船の船長が原因・責任者になることは動かない。ただ、1人はすでに亡くなっていますので、刑事訴訟法に従い被疑者死亡として不起訴となります。生存している船長の責任を追及することになりますが、刑事事件において最も重要なのは「直近過失」(注意義務違反または過失のこと)です。
最後のタイミングで、この行為をすれば事故を回避できたはず、という点を特定することが核心になります。出航時の気象判断なども事故防止の観点では重要ですが、刑事捜査においてはこの直近過失の特定が何より大切です。
さらに、船長だけでなく、この船を管理・運営していた団体の組織としての責任が問われるかどうかも、重要な捜査のポイントになります。団体がどのようにこの船の運航に関与していたのか、船長以外に誰が安全管理の責任を持っていたのかを特定する作業は、相当ハードルが高いと思われます。








