言論法やジャーナリズム学が専門の山田健太教授は―
▼専修大学・山田健太教授
「きちんと正しい情報を入手して、それによって責任持った政治的な選択をするという方向に向かえばよかったんですが」
「ネット上の情報に影響を受けて、ある種誤ったデマ等も含めてですね、そういう情報に、自分の考えが流されていくという状況が生まれていると思います」

沖縄に関する誤った情報は、これまでもネット空間に存在していましたが、その様相に変化が見えると山田教授は指摘します。
▼専修大学 山田健太教授
「以前のいわゆる無知に伴う沖縄に対する差別感とはまたちょっと違った、嘲笑的な差別感というのがですね、今広がっていて、これは非常に面倒くさい」
「事実を言えば言うほど意固地だと見られてしまって、より嘲笑の対象が強まってしまっていると」
「更にもっと面倒なのは、それがビジネスとなって儲かるコンテンツになってしまっている」

戦後80年をむかえ、体験者の高齢化も進み歴史継承が課題となるなか、その歴史を修正しようとする発言に対して、事実で反論しても、それが嘲笑の対象となる―
メディアの伝え方に大きな課題が残され、その存在意義を考える1年となりました。

▼専修大学・山田健太教授
「世の中がこの10年間、20年間、どんどん(メディア)否定から排斥へというですね、オールドメディア批判が強まるなかで」
「テレビ変わったよね、ラジオ変わったよねっていうことが分かることをしていく必要性はやはりあるんだろうと思っています」
「その一つの具体的な形っていうのは、ファクトチェックかもしれないと思います」
社会に広がる誤った情報に目を向けその真偽を検証する、ファクトチェックの手法にはまだ課題もありますが、体験者が語ってきた沖縄戦の実相がゆがめられることは許されません。
▼ひめゆり同窓会・知念淑子会長
「世界を見渡しても無慈悲な戦争によって多くの命が奪われ続けています。いつになったらみんなが手をとり平和に暮らす日が来るのでしょうか」
▼ひめゆり平和祈念資料館・普天間朝佳館長
「本当の戦争の実相に向き合わないやり方に憤りを感じます」

体験者の思いを継承し、戦争の惨禍を二度と許さない。その意義を忘れず、戦後81年目むかえる来年もその実相を伝えます。








