「人を助けるために必要なのはね、みんなが元々持ってる優しさなんです。
これがあったら社会で間違いなく通用します。
この優しさをね、大事にしてほしいと思います」

「助け合い」の結晶が、ロケットを飛ばす会社

永田先生と助け合いながら、植松さんの会社は少しずつ成長していきました。

今ではロケットを丸ごと全部作って打ち上げることができ、気がついたら日本で一番たくさんロケットを飛ばす会社になっていました。

しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。
初めて作ったロケットエンジンは「ひどかった」と植松さんは振り返ります。
やったことがないことをやるのだから、失敗は当然でした。

ロケット打ち上げの様子(写真提供:植松電機)


「分からない、できないって言ってると、できないまんまなんですよ。
何も前に進まないんです。
大事なことは、分からなかったら調べればいいっていうだけのことだったんです。
そのために本があるんです」

そして、失敗を恐れる気持ちについても率直に語りました。

「だって失敗するかもしれないんです」
「自分のうっかりのせいで、他の人が頑張ったところも、かけたお金も時間も全部パーになるんです。
それが怖いんです」

ロケット打ち上げの前には、あまりの責任の重さで真っ青になり、吐きそうに。
そんな不安の中でロケットが飛んでいくと、涙が出るのです。