▼加藤裕弁護士
「本当に差別的な発言や表現があれば、『やめよう』ということになるけれども、そういったものも具体的に示さないまま漠然として、自衛隊及び隊員、自衛隊に対する差別的な風潮というのも書いていますので、自衛隊に対する批判的な言動自体に対する抑圧的効果をもたらす問題がないかと。そういった点では、表現の自由、政治的発言の自由というものに対する脅威ということでは、従前のものと何ら変わらない問題がある」

一方この日の県議会では、自衛隊への抗議活動を妨害活動などと表現した中谷防衛大臣に対し発言の撤回と謝罪を求める与党会派提出の意見書案は、自民・公明会派の反対による「賛成少数」での否決となった。

「全会一致」で強い意思表明を目指すのが沖縄県議会の慣行だが…

本来、決議も意見書も、県議会としての意思を示すためには全会一致での可決を目指すのが通例だ。しかし双方が歩み寄るための議論が尽くされたとは言い難く、対立したまま幕引きとなった。