戦後80年の今年、沖縄戦をテーマにした書籍が数多く発行されています。その中でも、ひときわ目を引くのが、先月発売された新里堅進さんの作品集「ソウル・サーチン」です。

通常の単行本の3倍近い価格ながら、那覇市内の書店の販売ランキングでは上位に。「沖縄戦」を学ぶ入門書として手に取る人も少なくありません。

▼購入した人
「大学のゼミ研修で学生を連れてきているんですけど、沖縄の歴史をもうちょっと知りたいと思っています」



漫画家・新里堅進さん。沖縄戦の翌年、那覇市壺屋で生まれました。タクシー運転手やセールスマンなど職を転々としながら、1978年に漫画家デビュー。細かな取材と聞き取りを重ねながら、沖縄戦を題材にした作品や沖縄の歴史・文化に関する作品を数多く執筆してきました。

「ソウル・サーチン」には、絶版となった代表作を中心に、新里さんの半世紀にわたる軌跡が900ページあまりに詰め込まれています。

▼漫画家 新里堅進さん(79)
「こんなふうに、皆さんが理解してくれて、こういう立派な本を作ってもらって、うれしいんだけども、自分はそんなこと考えてなかったんですよ。有名になりたいとか、そういう気持ちはなかった。ただ描いて残しておきたいという気持ちでした」