41市町村の魅力を紹介する「わがまちLink41」。今回の舞台は、やちむんの里でおなじみの那覇市壺屋です。にぎやかな国際通りから、ちょっと中に入った地域では、夜になると幻想的な光を放つホタルの舞に出会えます。地域の宝物を守ろうと、毎日コツコツ観察を続ける小さなホタル博士たちを訪ねました。
▼比嘉チハル リポーター
「大きなシーサーがランドマークの、那覇市壺屋にやってきました。この地域では夜になると、ホタルが見られるそうなんです。ただ、今日あいにくの天気ということで、果たしてホタルに出会えるのでしょうか?」
地域のエコクラブ「壺屋じんじんクラブ」を訪ねました。「じんじん」とは、ウチナーグチでホタルのこと。子どもたちは、雨の日も休まず、毎日ホタルの観察を続けています。
▼壺屋じんじんクラブ すばる さん
「夜に光るところがきれいで、そこが一番の魅力だと思います」
ーきょうの雨、ホタル見られる?
「雨がそこまで強くないので、5匹ぐらいは少なくともいるんじゃないかなと思います」
小さなホタル博士たちと地域をパトロール
「ホタルパトロール」では、やちむん通りから一歩、筋道に入ったエリアをまわります。戦前から残る国指定重要文化財「新垣家住宅」の周辺もホタルスポット。観察の時間帯は、自治会協力のもと、街灯を消して真っ暗に。
▼壺屋じんじんクラブ すばるさん
「ホタル同士が会えなくなったりするので、ライトをつけたりはしません」
パトロール開始から数分……
草むらで小さな光を確認!ホタルです。さらに、別の場所でも。いま壺屋で確認できているのは、「クロイワボタル」1種類。古い石垣や草むらを住処とする陸生のホタルです。
▼壺屋じんじんクラブ すばるさん
「こっちに見えます」
―性別は分かりますか?
▼壺屋じんじんクラブ すばるさん
「メスだと思いますね。飛ばないので」
メスは葉の上などで、一方のオスは飛び回って、それぞれ光って合図を交わします。相手をみつけ交尾中の個体にも出会うことができました。
▼壺屋じんじんクラブ 由利玲子 代表サポーター
「こっちの空き地の塀のところに1匹いました。工房の入り口の、塀のところに1匹いました」
パトロールを終えると、発見場所や気温・湿度などの情報を記録にまとめます。5年目をむかえたこの活動。クラブ発足のきっかけは、ホタルの減少でした。
▼壺屋じんじんクラブ 由利玲子 代表サポーター
「自分が最初に見た頃と比べてだいぶ減っていて、すごく衝撃を受けました。このままだとホタルが壺屋からいなくなっちゃうんじゃないかとすごく心配になって、子どもたちと一緒に、ホタルを守る活動を始めました」
―真っ暗。暗いところは怖くないの?
▼壺屋じんじんクラブ すばるさん
「怖いところもあるけど、ホタルを見るとほっとします」
♪じんじん
じんじん じんじん (ホタル ホタル)
壺屋ぬ水飲でぃ (チボヤの水を飲んで)
落てぃりよーじんじん (落ちてこいホタル)
下がりよーじんじん (落ちてこいホタル)
沖縄のわらべうたにも登場する壺屋のホタル。地元の宝物を守るために、子どもたちは観察ルールを作るなど、自分たちにできることを考えて行動しています。
▼壺屋じんじんクラブ すばるさん
「自分の地域にホタルがいるということは、ひとつの自慢にもなるので、うれしいです。数がどんどん減ってきてはいるんですが、もっと前にはいろんな場所にいたらしくて、それをもう1回見たいなという思いがあります」
▼壺屋じんじんクラブ 由利玲子 代表サポーター
「自然環境はこの街の中にもあって、人間の影響で少しずつ影響を受けて変わってきているということを、子どもたちにこの活動を通して知ってほしいです。暮らしている街やこの地域がどうなってほしいかを、常に考えながら行動できる人になってほしいと思っています」
ホタルに熱中しすぎて……
壺屋じんじんクラブの子どもたちの間では、ホタル観察を頑張るあまり、あるものが「ホタル」に見えてしまうそうなんです。次の3つのうちどれでしょうか?