「大陸棚にぶつかって(潮の流れが)曲がるが、尖閣の辺りを通って、寄るのが久米島。黒潮の流れの状況からいうと、遥か南方から流されてきたものではないかと思っている」
絶滅が危惧されながらもどのようにして命をつないできたのか、その謎を解明する大きな手がかりになると小澤さんは指摘します。

「わずかしかいないジュゴンの同一個体が確認されてその移動経路も分かったというのは科学的にも強烈なエビデンス(=根拠)。日本産ジュゴンというか沖縄のジュゴンがどういう形で個体群が維持されてきたか、というのに一石を投じるような結果なのかなと」
小澤さんは「久米島周辺での生育調査は急務」だとしたうえで、藻場の保全や漁業者などへの注意喚起、そして、国境を超えた情報交換の必要性を訴えていました。