沖縄・久米島の近海で先月29日に撮影されたジュゴン。有識者は、今年3月に「台湾で網にかかったものと同じ個体である」との見解を示しました。沖縄周辺に生息するジュゴンがどのように命をつないできたのかその謎を解明する大きな手がかりになるかもしれません。
先月29日午前10時すぎ、久米島の南西約100メートルの沖合を泳ぐ様子が撮影された、1頭のジュゴン。
ジュゴンを研究する県環境科学センター総合環境研究所の小澤宏之所長は、このジュゴンは今年3月に台湾北東部で網にかかり、その後リリースされたジュゴンと同じ個体であるとの見解を示しました。

▼県環境科学センター総合環境研究所・小澤宏之所長
「(撮影されたジュゴンには)左のひれの上部根本の部分に特徴的な傷があって、こちらの(台湾で網にかかった)個体も同様の場所に傷がある」
小澤さんやジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局長らは、複数の傷の位置が台湾で発見された個体と一致していることなどから同じジュゴンである可能性は極めて高いということです。
さらに小澤さんは、今回発見されたジュゴンが、東南アジアのフィリピンから黒潮に乗って北上してきた可能性を指摘しています。