

3人が出席しておととい開かれた討論会では、普天間基地の辺野古移設をめぐって、三者三様のスタンスの違いが鮮明となりました。
下地幹郎候補
「国と交渉できて、沖縄の誇りを持てるような、この県知事を出していかなきゃいけない」
佐喜眞淳候補
「県民の命と暮らしを守り通していく。守らなきゃいけない。そして、未来を作っていく」
玉城デニー候補
「子どもからお年寄りまで、本当に1人1人が、尊厳が守られて、それを支えていきながら、みんなで笑顔を作っていく」
3人が一堂に会した討論会。互いに質問をぶつけあい、議論が白熱したのは、普天間基地の辺野古移設への対応です。下地さんは軟弱地盤を埋め立てない、佐喜眞さんは移設容認、玉城さんは移設反対の立場で、三者三様、スタンスの違いが明確になっています。

下地さんは、辺野古沖の軟弱地盤の改良工事には反対の立場で、普天間基地に所属するアメリカ軍機の訓練を、鹿児島県の馬毛島に移転すると主張しています。
こうした下地さんの主張に対し佐喜眞さんは、普天間基地のオスプレイの駐留先について問いただしました。
Q佐喜眞候補から下地候補への質問
「そこに移駐させるのかどうか、ちょっと疑問があるし、また普天間飛行場のオスプレイ部隊は一体どこに行くのか」
下地候補の回答
「私はこのオスプレイ24機は今埋め立てられた場所に移駐する。そして大事なことは今、この普天間基地から、危険な訓練をなくすことが大事だということを私はずと討論会でも申し上げている」
Q佐喜眞候補の再質問
「大浦湾に埋め立てをできなかった場合、(オスプレイの格納庫など)そういうものが実現できなくなる。むしろ、普天間飛行場の固定化につながってしまうんじゃないかと思うが、ご回答をお願いします」
下地候補の回答
「こんなことは私たちが心配する必要はない。米軍に心配させればいい。私たちは普天間をあける。埋め立てられた場所はもう、デニーさんの止められなかった場所を活用する。私が提案している曲げ島案にあなたがのって、それで一緒になって解決していくという、これの方が市民のためになると思いますよ」

佐喜眞さんは、政府が進める辺野古移設計画に容認の立場で、政府と協議を重ねながら工期を短縮し、県外へ訓練移転を進めることで、2030年までに普天間基地の返還を実現すると訴えています。玉城さんは、返還の具体性について質しました。
玉城候補から佐喜眞候補への質問
「2030年というのは何を根拠に主張しているのか、具体的な工期の短縮方法、あるいはそのロードマップについてお聞かせください」
佐喜眞候補の回答
「ある意味で政府との信頼関係を構築しながら、県外への分散移転、あるいは訓練の方ですけど、今既存の埋め立てているところを、オスプレイなど含めて移駐させる」
Q玉城候補の再質問
「まず2030年までにどうやって解決するかということについて具体的なロードマップがまず、まったく示されていないということ。かつて県議会でも2回、海兵隊の(普天間基地の)閉鎖返還、撤退を決議したことと同じように、しっかりと政府に要請していくことこそ、現実的な方法だと私は考えている」
佐喜眞候補の回答
「玉城さんね、玉城さんが言っていることは、ある意味、玉城知事自身の思いだと思う。ただそこに欠如しているのは、日米両政府の考え方をいかに玉城知事が議論して、結論としてそういうふうに導いているかということがないんです。一方通行なんですね」

玉城さんは、辺野古移設に反対の立場で、軟弱地盤の調査が不十分だと主張しています。グアムなどへの部隊移転を契機に、日米交渉を促進すべきだと訴えます。下地さんは、1期目の公約を守れず、埋め立てが進んでいると指摘しました。
下地候補から玉城候補への質問
「埋め立てられたことに対する責任はどうなるのか、はっきりしてもらいたい。それがスタートになると思いますよ、すべての」
玉城候補の回答
「我々は法律に従って、変更承認申請を不承認にしているという観点から、この基地は認めることはできないという立場を主張する、それがこの基地の建設を止めるということにつながるということは間違いないと思います」
下地候補の再質問
「裁判で止められないこともはっきりしている。政府が横暴というのもはっきりしているじゃないですか。政治の沖縄の力強さをあなたから感じられないところに、今、沖縄の政治の弱さが全国に見せ付けられている。ここに辺野古の問題からくる沖縄の問題があると思うんですよ」
玉城候補の回答
「横暴な政府だから、もう何を言ってもむだだから、横暴な政府のやり方に従えというのは、県民は絶対納得しません。私も納得しません。横暴な政府は自民党公明党ですから。では自民党公明党に、その横暴な下地さんからもおっしゃっていただかないと、佐喜眞さんからもおっしゃっていただかないと、県民の思いは貫くことができないわけです」
復帰50年の年の県知事選挙、県政のかじ取りを誰に委ねるのか。辺野古移設の賛否や経済対策などを主な争点に、17日間の選挙戦が展開されます。