4枚目:4日夜11時から5日午前3時に撮影した3289枚の写真の合成


普段は目に見えない人工衛星が実際は縦横無尽に飛び交っていることが分かる人工的な天体ショーだったが、この現象を検証した出発点は、天文台が行う天体の研究に与える影響を明らかにすることだと花山さんは語る。

▽石垣島天文台(国立天文台) 花山秀和さん
「こんなにフレア現象がよく見えるのは、この数年間で衛星の打ち上げが急速に増え、スターリンクだけで6000個もの衛星が宇宙空間に存在しているからです。これが自然の天体観測に与える影響を調べることがこの調査のモチベーションです」

こうした懸念はスペースX社も理解していて、これまで、光の反射を抑えるために衛星を黒く塗装したり、日除けを搭載した衛星を打ち上げて、反射を抑制する効果を確認してきているという。


▽石垣島天文台(国立天文台) 花山秀和さん
「人工衛星は地上のどんなところにも電波を届ける重要なインフラとして私たちの暮らしに役立てられています。そこと天体観測がどうすれば共存できるか、研究者にも配慮していただける、よりよいあり方を模索したい」

急速に増える人工衛星がもたらす思わぬ影響。天体研究の未来を確保するのも簡単ではなさそうだ。