沖縄市と北中城村にまたがるアメリカ軍の「ロウワー・プラザ住宅地区」。
3月31日から日米の共同使用が始まり、緑地広場として一般開放されています。
返還時期は未定とされるなか共同使用の意義とは?

林官房長官
「地元の皆さまの生活の利便性の向上に加え、跡地利用の検討に資する空間と時間を創出するものであり、沖縄の基地負担軽減の目に見える成果の一つであると考えております」

30日に行われた式典でその成果をアピールした林官房長官。

政府がアメリカ側と交渉し、返還前の施設を緑地広場として広く一般に開放するのは、初めてのことです。

沖縄市と北中城村にまたがりアメリカ軍キャンプ瑞慶覧内にある「ロウワー・プラザ住宅地区」。

面積は、およそ23ヘクタールでソフトボール場や遊歩道が整備されています。

2013年の日米合意で「2024年度以降」の返還が決まっていますが、条件となっている102戸の住宅移転が完了しておらず、フェンスを残したままの“日米共同使用”となった格好です。

沖縄防衛局の森広芳光企画部長は、共同使用の意義をこう説明します。

沖縄防衛局・森広芳光企画部長
「やはり返還よりも前にどんどん色んな方々ですね、こういう立地だったらこういう風にできるよねっていうのを考えていただくような機会を早めに設けたい。知恵を絞った結果がまさに日米共同使用という形」

「うわぁ!すげえ~」

きのうから一般開放された緑地広場には、ふれあい動物園が設置され、親子連れが楽しむ姿がありました。

沖縄市在住
Q.どうですか?入って見て印象は?
「いや、広いなぁっていう」
「近くなので。天気良い日とかねピクニックできるね。広い、良いかなと思います」

森広芳光企画部長
「我々も早期返還を実現するというのが最大の目標なので、そこには全力を尽くしていくということと、一定期間という認識の下でとにかくそれを(返還までの期間を)短くしていこうと」

しかし、「ロウワー・プラザ」の返還時期は未定とされています。

地域の発展に向け、「返還」という形でその成果が示されるのは、いつになるのでしょうか?

【記者MEMO】
返還後の跡地利用計画は、地権者が主体となって議論されることになっています。

今回、共同使用が始まったことについて地権者会の事務局長・武米次郎さんは、「いつ返還されてもいいよう跡地利用計画の作成に向け尽力したい」とした一方、「緑地広場として定着することで計画に影響しないか不安もある」と話しています。

政府には、基地負担軽減の成果を早期返還という形で示すことが引き続き求められています。