2年をかけてクマノミを海に放流

そこで観光客からも人気がある、カクレクマノミの保護・育成に取り組もうと2019年から、OISTでは本格的な研究が始まりました。

ティモシー・ラバシ教授
「このマリンステーションでクマノミを繁殖して、海に移動させているその子たちが生存して育つ。そこで新たな繁殖も行われ取り組みは成功している」

2021年には、OISTのマリン・サイエンスステーションで交配・繁殖したクマノミを海に放流する「瀬良垣島・クマノミ育成プロジェクト」がスタート。県の観光コンテンツ開発事業としても認定され産学共同での取り組みとしてクマノミの保全事業が行われています。

ちなみに警戒心が強く、臆病な性格のクマノミは、思うようにイソギンチャクへに住み着いてくれません。

年に10ペアの放流を行う中で、ようやく数組が瀬良垣島の海で生活をスタートさせました。

ハイアットリージェンシー瀬良垣 藤島健さん
「一気に放つのではなくて数匹とか、一応OISTさんの大学では全部で6種類のクマノミを育てています。実際に海に放って研究するのは、このカクレクマノミだけですね」

マリン・サイエンスステーションに隣接するホテル、ハイアットリージェンシー瀬良垣では、このプロジェクトに共同参画し、実際の海でカクレクマノミを見学するツアーを開始。

観光客がクマノミの保護・育成における課題や沖縄の海について理解を深めることで、海洋環境への関心を高めてもらう狙いがあります。

ハイアットリージェンシー瀬良垣 藤島健さん
「クマノミが生きづらい環境になってきているので、個体数がどんどん減ってきている。このプログラムを通して、沖縄の海のこと、またクマノミの生態系について学んでいただいて、私たちも少しでも長くきれいな沖縄の海を維持できるように協力して行っていきたいと思います」