阿嘉島唯一のスポーツクラブ、阿嘉陸上クラブは放課後、島の子どもたちが集まりユニークな練習に取り組んでいます。クラブの最上級生、中学3年生の金城空良さんは去年、100mハードルで島から沖縄一に輝く快挙を成し遂げました。

この春、夢を抱いて島を離れる空良さんの”15の春”を追いました。

小中20人の島から陸上で県大会優勝の快挙

3月10日に開催された県春季陸上記録会。女子100mHに、中学生ながら唯一エントリーをした金城空良さん。今後へつながる、堂々の走りを見せました。

金城空良さん
「ハードルが高校生の高さで走って、周りが超速くて、上に選手がいるともっと抜きたい気持ちが出るので、そこに向かって努力していきたいです」

那覇から西に40km。ケラマブルーの青い海と緑豊かな山々に囲まれた、阿嘉島。250人ほどの人々が暮らすこの島が、空良さんの故郷です。

島、唯一の学校は小中あわせても20人ほど。給食の時にも全員が机をあわせ、みんなで仲良く一緒に食べています。

女子生徒
「尊敬できる、先輩です」
金城空良さん
「楽しく喋りながら食べているけど…。来年からは自分で友達見つけて食べないといけないので、その辺は寂しいです」

小学1年生の頃、那覇から、父親の故郷である阿嘉島へ引っ越してきた空良さん。すぐに自然豊かな島が大好きになりました。

金城空良さん
「育ててくれた大事な島かなと思います。近くに自然があって、夏だったらほぼ毎日海に入って、すごくいい思い出だったなと思います」

中学生から本格的に始めた陸上も、めきめきと頭角を現します。
去年夏、100mハードルで県予選を勝ち抜き全国中学陸上に出場を果たたすと、秋に開催された地区陸上でも、100mハードルで15秒43の記録で優勝。島から沖縄一に輝く快挙を成し遂げました。