国産和牛の需要が低迷している影響で、大分県内でも子牛価格の値下がりが止まらず、繁殖農家が苦境に立たされています。

竹田市にあるJA全農おおいたの豊後豊肥家畜市場では17日、月に1回開かれる子牛のセリが行われ、およそ400頭が取引されました。

(繁殖農家)「やっぱり安いですね。15万円くらい安いかな。きょうの価格からすると」「逆にやめるほうがいいと言って、やめる人が多くなるのではないか」

17日の子牛市場では1頭あたりの平均価格は50万2515円。この5年間で最も高かった2019年4月と比較すると、30万円以上値下がりしていて、新型コロナの感染が急拡大した2020年よりも厳しい状態です。

こうした価格について子牛を仕入れる肥育農家はどう考えているのでしょうか。

(肥育農家)「まだ高いわ。採算は今のところとれていない。エサは上がっていて枝肉は下がっているから」

景気の低迷で国産和牛の需要が高まらず、肉用牛の価格が下落。エサや燃料などの高騰もあり、肥育農家の採算がとれないことから子牛の値下がりが止まらないのです。

(JA全農おおいた畜産課・後藤壱郎課長)「そのままコストに上乗せして販売するという仕組みではなく、相場で動いているお肉をもっと食べていただけるような環境ができるといいのかな」

負のスパイラルが広がる畜産業。抜本的な打開策は見えず、しばらく厳しい状況が続きそうです。