大分県内を襲った記録的豪雨から7日で1か月。被災地の日田市では避難生活が長期化するなか、生活の再建が大きな課題になっています。
(糸永記者)「日田市の被災エリアに来ています。重機による撤去作業が進められていますが、被害が広範囲に及んでいて、手つかずとなってるところもあります」
日田市鶴城町の小鹿田地区。この地域では、7月10日の大雨で山の斜面が崩落し、大量の土砂が集落の至るところに押し寄せました。
(避難生活を続ける・梶原幸夫さん)「きついですよ。避難しているのはいいけど生活が違うから」
妻と2人暮らしの梶原幸夫さん(83)。自宅が床下浸水したほか、田んぼや農機具なども被災。避難所での生活を余儀なくされているうえ、台風6号の接近に再び不安を募らせています。
(梶原幸夫さん)「線状降水帯が台風と一緒に来るおそれもあるから、この前にみたいにならなければいいという状況。一日でも早く住宅に住みたい」
日田市では今も10世帯16人が避難所生活を送り、小野地区と大鶴地区の17世帯30人に避難指示が出ています。解除の見通しは立たず、避難生活の長期化が見込まれます。
みなしの仮設住宅に7日から入居した坂本春美さん(58)。住宅は家電の用意がなく、NPO法人リエラから冷蔵庫と洗濯機の無償貸与を受けました。
(みなし仮設住宅に入居・坂本春美さん)「冷蔵庫が来る日じゃないと住めないので、ほっとしました」
(NPO法人リエラ・藤原精三さん)「アパートに入った時はほぼほぼ家電がない。困りごとがあればサポートできたらいい」
日田市内に暮らす娘のもとに1か月間身を寄せていた坂本さん。住み慣れた自宅に早く帰りたい気持ちと大雨への恐怖が入り混じる複雑な気持ちです。
(みなし仮設住宅に入居・坂本春美さん)「山が崩れそうな危険区域だからすぐには帰れないし、雨が降るたびに避難となると考えますね」
豪雨から1か月。被災地では復旧の目途がたたないなか、被災者の生活再建に向けた幅広いサポートが求められます。