大分市で時速194キロの車による事故で弟を亡くした女性が、法の運用の見直しを求めるネットワークが結成されました。参加したのが同じ苦しみを抱える遺族たち。活動に込めた思いとは。

7月21日、東京で立ち上がったネットワーク「高速暴走・危険運転被害者の会」参加したのは猛スピードや飲酒運転など悪質な交通事故で家族を失った遺族です。

(高速暴走・危険運転被害者の会・長文恵さん)「高速度での事故が簡単に過失として起訴されていくっていう、当時私たちが感じた気持ちと同じ思いをする遺族がおられる」

会の代表を務める長文恵さん(57)は、おととし2月、大分市大在の県道で発生した事故で弟の小柳憲さん(当時50)を亡くしました。

起訴状によると当時19歳の男は時速194キロで乗用車を走行させ、小柳さんの車に衝突しました。

大分地検は男を過失運転致死罪で起訴しましたが、その後最長で懲役20年と、量刑の重い危険運転致死罪に起訴内容を変更しました。

署名活動も行った長さんは「軽い罪名で審理される可能性があった」と振り返ります。

(長文恵さん)「遺族ががんばって声をあげなければ危険運転致死傷罪が適用されないっていうのはおかしいって思うんです。声をあげられる人ばかりじゃないし、声をあげられない人も同じように適用されていかなければならないと思う」

今年2月には栃木県宇都宮市で時速160キロ以上の車による死亡事故が発生。運転していた男は危険運転致死罪より量刑の軽い過失運転致死罪で起訴されました。長さんは法の運用について疑問を感じています。

(長文恵さん)「高速度類型が危険運転致死傷罪に適用できていないという現状だと思う。国に改善を求めていくっていうことは一人ではできないこと、でもみんなではできるんじゃないかって、思うから会を作って、今後活動できたらいいなと思います」

会では今後、国に要望書の提出や法が適切に運用されているか実態調査を求める方針です。