大分県由布市で6月末に起きた大規模な地滑りで当時、ドローンを使って孤立した住民に救援物資を届けていたことがわかりました。災害時の物資輸送にドローンが活用されたのは全国初となります。
6月30日、由布市湯布院町川西で大雨の影響で地滑りが発生し、住民の夫婦が一時孤立しました。雨で防災ヘリが出動できない中、県は翌日にドローンを使ってトランシーバーや水、レトルト食品などの救援物資を夫婦のもとに届けました。

(糸永記者)「こちらが実際に使われたドローンです。直径2メートルとかなり大型で、最大20キロまで運べるということです」
機体は大分市の「シーアイロボティクス」が開発したもので、県によりますと、発災直後の物資輸送にドローンが使われたのは全国初となります。また孤立した住宅まで徒歩で2時間かかったところ、ドローンは3分で輸送できたということです。
(シーアイロボティクス・長尾祥伍さん)「ドローンは目の前に見えるけど人の力ではすぐに行けない現場で活躍する。(夫婦と無線で)必要なものはあるかとか体調はどうかというやり取りが行われた」

県内では全国に先がけて産学官連携の協議会を2017年度に発足。災害時にドローン輸送ができるよう訓練を重ねていたことが迅速な対応につながったと振り返ります。
(シーアイロボティクス・長尾祥伍さん)「(訓練で)得られた実績が実際に現場で発揮できた。県内のドローン事業者が今後訓練を積んで運用できるようになると、県内どこで災害が起こったとしても対応がスムーズになる」
県新産業振興室は「大雨シーズンは続くので今回の事例を検証して有事に備えたい」と話しています。