49世帯116人が孤立状態となっていた大分県日田市では12日までにすべての孤立が解消しましたが、現地を取材すると被害の実態が明らかになりました。

(糸永記者)「きのうまで寸断されていた県道ですが、倒木などが撤去され、孤立集落へと通じるようになっています」

大雨の影響で日田市では山間部の県道が寸断され、一部地域の49世帯116人が孤立状態となっていました。県道は倒木の撤去作業が進み、12日までに復旧。すべての孤立が解消されました。

孤立していた地域に入ってみると…

(糸永記者)「土砂が大規模に崩れていて被害の大きさを物語っています。土砂の中では車がひっくり返っています」

中山地区では大規模な土砂崩れが発生。県と市の職員が早速被害の状況を確認していました。何らかの建物が巻き込まれたとみられますが、けが人はいなかったということです。

(吉田キャスター)「日田市小野地区です。この道路の奥に6つの集落があります」

地区を通る県道や小野川にはいまだいたるところに豪雨の爪あとが残っていました。2日間にわたって孤立状態にあった住民はー。

(住民)「テレビも映らない、電気も付かない、他の地域の状況も全くわからないので、何日も出れないのではという恐怖があった」

国の重要無形文化財に指定されている「小鹿田焼」の産地・皿山地区。10日の映像では大量の水が集落に流れ込んでるのがわかります。

(窯元)「泥がいっぱいたまって、1日半ぐらいかけてみんなで流した」

小鹿田の里では陶土を細かくすための「唐臼」が破損した窯元もー。生産が中断される事態に窯元の男性は肩を落としていました。

(窯元)「粘土ができないと焼き物はできないからね。窯を焼くのを諦めてしまう」

一方、鶴河内川の増水によって浸水被害が広がった大鶴地区には早速、ボランティアの姿がありました。

(ボランティア)「何かあれば一番先に駆け付けようという気持ちでやっている」

記録的な大雨が残した大きな爪あと。13日も激しい雨のおそれがあり、被災地は天候をにらみながらの復旧が続いています。