大分県は中津市にある介護福祉施設の利用者ら9人が嘔吐などの症状があると発表しました。県が調査した結果、「黄色ブドウ球菌」による食中毒と分かりました。
県によりますと7月6日、中津市にある介護福祉施設の利用者と職員に嘔吐や下痢の症状があると市内の医療機関から県北部保健所に連絡がありました。保健所が調査したところ、施設内で調理された三食そぼろ丼などから「黄色ブドウ球菌」が検出されました。料理に使われた鶏そぼろが常温で放置されたため、菌が繁殖し食中毒が発生したとみられています。患者は60代から90代までの9人で、全員快方に向かっています。
「黄色ブドウ球菌」は菌が増殖すると、熱に強いエンテロトキシンと呼ばれる毒素を生成。30分の加熱でも無毒化されないのが特徴です。潜伏期は1~3時間と短く、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢の症状が現れます。対策は、菌が食品につかないよう調理前の手洗いや調理器具の洗浄・殺菌。手や指に傷などがある人は食品に直接触れるのを避けることが重要です。

県は食中毒が発生した施設に対して、食品の温度管理や調理従事者の手洗いを徹底するよう行政指導しました。