特殊詐欺の被害が、今年に入って高齢者を中心に前年を上回るペースで発生しています。その実態と被害を防ぐためのポイントを取材しました。

全国で後を絶たない特殊詐欺事件。犯罪グループが海外に拠点を設けるなど手口も複雑化しています。

県警によりますと、今年に入って県内の特殊詐欺事件は被害件数、被害額いずれも前の年を大きく上回るペースで推移。その中で増えているのが…

(県警生活安全部 安全・安心まちづくり推進室 高橋直樹室長)「防犯協会や民生委員を名乗って個人情報を持っている。その削除を名目にお金をだまし取る手口の、架空料金請求詐欺が本年は非常に多く発生しています」

また、被害者の7割以上が65歳以上と、依然として高齢者が狙った犯行が目立ちます。一方でこうした被害を防ぐための新しい取り組みも始まっています。

(吉田諭司キャスター)「NTT西日本ではナンバーディスプレイとナンバーリクエストの高齢者無償化を5月からスタートさせます」

相手の番号を表示する「ナンバーディスプレイ」。非通知の相手に対し、番号を表示したうえで、かけなおすよう自動音声で伝える「ナンバーリクエスト」。

NTT西日本では、2つのサービスを5月から無償化しますが、条件は70歳以上の契約者か、70歳以上の方と同居している契約者が対象です。

また、特殊詐欺の危険性をAIで識別し、不審な電話と判断した場合には事前登録した親族などに通知する専用アダプタの無料設置サービスも始めます。

このサービスの条件も、「ナンバーディスプレイ」「ナンバーリクエスト」と同じで70歳以上の契約者か、70歳以上の方と同居している契約者が対象ですが、申込者が5000名になり次第、受け付けを終了します。

(NTT西日本大分支店 事業推進室・猪立山一成室長)「安心に電話サービスをご利用いただけるように、より多くのご高齢者の方にご利用いただければと考えています」

被害者の心理をつき、言葉巧みにだます特殊詐欺。被害を防ぐには、不審な電話に十分警戒し、もし出てしまった場合、家族や警察に相談するのが何より重要です。