従来の救急車よりもコンパクトな軽自動車の救急車が大分県臼杵市に初めて導入されます。導入の目的や期待されている効果についてお伝えします。
城下町を駆け抜ける小さな車両。臼杵市消防本部が新たに導入した「軽救急車」です。軽救急車は軽ワゴン車を改造したもので、従来の救急車より一回り小さく狭い道路を通行できます。
観光名所の二王座で27日行われた訓練では、従来の救急車と軽救急車がペアで出動。道幅が狭い場所からは隊員が軽救急車に乗り換えて現場に向かい、患者を救助するまでの手順を確認しました。
(臼杵市消防本部・庄司哲宏消防署長)「救急車が進入できない場所については以前はストレッチャー(担架)を押して行っていた。軽救急車を活用することで応急処置が早くなる」
軽救急車の導入は県内では竹田、国東に次いで3番目。従来の救急車に比べ装備は制限されますが、車内にはストレッチャーや自動心肺蘇生器などが完備されています。
(糸永記者)「身長170センチの私が実際に乗ってみました。車内は狭さを感じることもなく、足を折り曲げずに横になることができます」
臼杵市消防本部では2020年の救急出動2014件のうち、道路が狭いため通報があっても救急車が進入できず、患者の接触に時間がかかったケースが150件あり、搬送時間の短縮につなげたいねらいです。
(臼杵市消防本部・庄司哲宏消防署長)「きょうの訓練で比較的スムーズにできた。さらなる救急サービスの向上に向けて努めていきたい」
この軽救急車は4月1日から臼杵市消防本部で運用が始まります。