(井口キャスター)「県知事選挙を取材している安部記者の解説をお伝えします。今回の県知事選は県政を長く牽引してきた広瀬知事が引退を表明し、20年ぶりに新たなリーダーを選ぶ重要な選挙となりますね」

(安部記者)「どちらも新人同士、そして安達さんは民間出身、佐藤さんは官僚出身でそれぞれ考えが異なっているので、今後の県政のかじ取りをどちらに託すのか、有権者の選択が問われています」

(井口キャスター)「23日から選挙戦に突入したわけですが、争点はどういった点になると思われますか」

(安部記者)「広瀬県政を継承する佐藤さんか?、広瀬県政を評価しつつも見直しについて言及している安達さんか? そこが選ぶポイントになると思われます」

(井口キャスター)「安達さんは組織に頼らない、草の根選挙を展開するようですね」

(安部記者)「そこは安達さんがこだわっている点ですね。後援会のほか、自身と関係が深い詩吟の会を中心に支援を広げています。23日の出陣式でも当初はスタッフのみで行う予定だったんですよね。このように選挙戦も従来のスタイルに捉われず、県政に新しい風を吹かせると意気込んでいます」

(井口キャスター)「安達さんは4年前の参院選では野党統一候補でしたよね」

(安部記者)「今回は社民と共産が自主的に支持を決めた一方、連合大分・立憲民主・国民民主は自主投票にとどまっています。このあたりの票の動き、そして無党派層の獲得が安達さんにとっては鍵を握ると思われます」

(井口キャスター)「一方の佐藤さんは組織戦を展開していますね」

(安部記者)「県民党を掲げる両者ですが、佐藤さんの場合は広く政党に推薦を申請し、自民・公明のほか、経済界などからも推薦を取り付けました。また、広瀬知事も後継指名はしないまでもエールを送っています。官僚と市長の経験を踏まえた行政手腕をアピールしています」

(井口キャスター)「佐藤さんは2期8年の市長経験で大分市では名前が浸透していますが、それ以外の市町村の知名度が気になりますね」

(安部記者)「そうですね。そこが陣営が最も懸念している点で、対策として県内18市町村すべてに後援会の支部を立ち上げました。そこを拠点として支援を広げていくのが狙いです」

(井口キャスター)「県政の新たなリーダーを決める県知事選挙。県民の関心はあるのでしょうか」

(県民)「誰が知事になるかで県の経済も変わってくると思うので大事なのかなと」「(選挙に関心は)ない・誰がなっても変わらない」「選挙を知らなくて投票のハガキが届いたので、やるんだと」

(井口キャスター)「知事選への関心はまだそんなに高くないようですね。そこで気になるのが投票率です」

(渡辺キャスター)「1991年から県知事選での投票率をグラフにしたものですが、1999年を境に年々減少傾向となっていて、直近の2019年は47.41%と過去最低を記録しています。ただ、今回は20年ぶりとなる新人同士の戦い。同じ状況で広瀬知事が初当選した2003年を見てみると、69.03%と注目度が高かったことがうかがえます」

(安部記者)「20年ぶりに新知事が誕生する重要な選挙ですので、両候補の訴えに耳を傾けて欲しいですね」

(井口キャスター)「今回の選挙で大分の未来が決まります。ぜひ1票を投じて意思表示をしてもらいたいですね。ここまで安部記者の解説でした」