一方、もちとうきびを原料としたクラフトビールも商品化されています。森田准教授の提案を受け、豊後大野市の藤居醸造は紫色の実を使ったビールを開発。ほのかなピンク色が好評で、過去2回の販売分はすぐに完売。3回目の仕込み分が店頭に並んでいます。

藤居醸造 藤居淳一郎社長:
「初めての試みで不安もありましたけど、見た目からびっくりしました。さらに飲んですっきりとした味わいで、大好評となっています」

2坪から始まったもちとうきびの栽培は、わずか4年で3000倍となる2ヘクタールにまで拡大。今後はさらに生産規模を広げ、穀物や加工品の原料としての活用も視野に入れています。

森田准教授:
「気温が高くてもある程度元気に育ちます。今後の気象変化を考えた時に非常にポテンシャルがあるものだと思っています。大分の種を使っているので、ぜひ大分の人に知ってもらって食べてもらいたいです」

気候変動に強く、独自の食感を持つもちとうきび。地域農業や食文化を支える存在となるのか――。その可能性を探る動きが、大分から広がり始めています。