全国的なコメ不足が続くなか、農家がこれまでの方針を見直し、食用米の作付けを拡大する動きが広がっています。価格の高騰や需給の不安定さが続く中、いま生産現場では何が起きているのでしょうか。

農業としてどう残っていくか

大分県宇佐市で、祖父の代からコメ作りを続けている「ジョイライス大分」の和田幸太さん。2017年に法人化して生産規模を拡大し、現在は食用や飼料用など30ヘクタールでコメを作付けしています。去年から全国的にコメ不足が叫ばれる中、和田さんはこれまでの方針を転換しました。

和田幸太社長:
「去年よりは大体5ヘクタールから6ヘクタール増やしています。一気に食用をそこまで増やしたことはなく、初めてです」

コメの価格維持のため、国が続けてきた減反政策が2018年に廃止されたあとも大分県内の作付実績は減少傾向となっていました。こうした中、今年は県全体で200ヘクタールほど増加に転じる見込みです。

背景には去年から続く価格の高騰に伴い、農家の生産意欲が高まった一方、消費者のコメ離れや農業への先行きの不安もあるといいます。

和田幸太社長:
「コメがどうしても足りないという状況なので、農業としてどう残っていくかって考えたときに、大豆をやめて食用米を少し増やして、足りないものを作っていこうと」