結婚を機に大分県竹田市に移住した女性がカフェをオープンさせました。玉子を使ったメニューが中心のカフェは、子育てを応援したいという熱い思いが詰まっています。

2022年8月、竹田市にオープンしたカフェ「カプリセス」。店内にはオムツ交換コーナーや授乳室を設け、乳幼児が一緒でも気軽に通えるよう工夫されています。

関東出身のオーナー、荒牧万里奈さんは5年前、竹田市出身の夫、大貴さんとの結婚を機に東京から竹田に移住。現在、1歳と3歳の娘を育てています。

幼いころからの夢だった獣医になり、キャリアを重ねていた万里奈さんは結婚や出産を機に仕事を辞めることには葛藤があったといいます。
(カプリセス オーナー・荒牧万里奈さん)「子どもができてからは嬉しい気持ちもありつつ、男の人は仕事をずっとできるのに女の人はなんで途中で出来なくなるんだろうとか、そういう思いもかなり葛藤としてはあった。せっかくこっちに来たので自分がハッピーになるにはどうしたらいいかって考えて」

万里奈さんが新たな一歩として選んだのはカフェの運営で、社会と母親がつながる場所を作りたいという思いがあります。そしてすべて手作りというメニューにもこだわりが…
(荒牧万里奈さん)「料理は全部うちのたまごを使っています」
キッシュ、ドーナツサンドイッチなどすべてのメニューに玉子を使っています。中でも、看板メニューはご褒美プリン。なめらかな食感と優しい味わいが特徴で、試行錯誤を重ねて作り上げた自信作です。
主役となる卵は夫の大貴さんが経営する農場で育てられています。

(グリーンファーム久住・荒牧大貴次長)「これが平飼いという育て方で、見ての通り好きな場所に行って過ごせるという飼い方です」

グリーンファーム久住では、ニワトリをケージの中で育てるのではなく、国内ではまだ少ない「平飼い」という飼育方法で育てています。ケージ飼いに比べて生産コストはかかるものの鶏のストレスが少ないとされています。
夫の大貴さんはカフェを通じて卵の魅力を伝えるチャンスととらえています。
(荒牧大貴次長)「(カフェは)まだオープンして2か月くらいだが、卵のリピーターが来たとか、喜びの声を聞いたとなると基本となる卵のところをブレさせてはいけないと思う」

万里奈さんのカフェは子育てとのバランスを考えて、基本的に土日は定休日。それでも、グルテンフリーやカフェインレスといったこだわりのメニューや居心地の良さから、お母さんたちのいこいの場となっています。

(荒牧万里奈さん)「リピーターがめちゃくちゃ多くて、お母さんたちも話したいなと思ったときにお店に来てくれるようになりつつあるというのがすごくうれしい」
移住して5年、今は竹田が故郷と話す万里奈さん。子育てしやすい環境を整えることで、地域に貢献したいと考えています。
(荒牧万里奈さん)「自分の子どもの同級生とかもすごく減ってきていて、子どもが住む故郷をなくしたくないという気持ちが強くて、母として何かできることをしたいという気持ちが今は源になっています」

(夫・大貴さん)「自分の好きな地元の竹田久住に対して妻が同じように愛着を持ってくれているのは本当にうれしく思う」


たまごカフェを開き、新たな一歩を踏み出した万里奈さん。故郷竹田をより住みやすい町にして、子どもたちに残すことが今の目標です。
