危険運転致死傷罪の適用要件を巡り、飲酒や速度の数値基準導入を含むた議論が進められています。こうした中、見直しのきっかけの一つとなったのが4年前、大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故です。OBSの取材に対し遺族が改めて今の思いを語りました。
事故で亡くなった小柳憲さんの姉、長文恵さん。一審の裁判などを経て、長さんは心境に変化があると打ち明けました。

(長文恵さん)「昨年の命日から考えても、いろいろな事があったせいかすごく事故日が遠くに感じて、弟がかなり遠くに行ってしまった感じがする4年目です」
2021年2月9日の深夜、大分市大在の県道で時速194キロの車が対向車と衝突。車を運転していた小柳憲さん(50)が死亡しました。
(長文恵さん)「一瞬の出来事で1秒2秒ずれていれば弟は亡くならなかっただろうし、そう思ったらもう悔しくてたまらないのと、弟が亡くなってしまったというのはどんなにいろいろ思い返してももうよみがえることはない」

事故から3年が経ち始まった裁判では危険運転の成立が争点に。去年11月の一審判決で危険運転致死罪を認定。被告側、検察側いずれも控訴し判断の場は福岡高裁へ移ります。
(加賀其記者)「事故から4年が経った現場の道路では整備が進められ、ドライバーに注意を促す路面標示などが設置されています」
現場では、法定速度の遵守を呼び掛ける看板や路面表示が設置されるなど再発防止に向けた整備が進められています。

小柳さんの命日の10日、大分市内で会見を開いた長さんは、危険運転の見直しに向けた国の動きを巡り、数値基準の導入については賛同する一方で、「悪質な事故を無くすための議論も進めて欲しい」と求めました。
(長文恵さん)「数値基準に満たない部分について危険運転に問えないと簡単に諦めしてしまう話ではないと思う。起きたことを罰するだけの法改正だと思っているので、そうではなく悪質な事故が起きないようにするためにどうするべきかということも議論されるべきだと思う」