転機 レジェンド帰還と「守備」の意識変革

流れが変わったのは6月中旬。7年ぶりに指揮官に復帰した「アジアの大砲」高木琢也監督の就任だ。高木監督は、春先に停滞していたチームの課題を見抜いていた。

高木琢也監督:
「守備はネガティブなアクションではない。ボールを奪いに行くポジティブなアクションだ」

後ろでダラダラとパスを回す時間は減り、「縦への速さ」が注入された。また、高木監督就任前に長崎に復帰したDF江川に加え、夏場には、J1主力級のMFピトゥカや、かつての教え子・翁長聖が合流。役者が揃うにつれ、高木監督の「魔法」は加速していく。

高木監督就任後は複数失点した試合が1度もない。今季のV・ファーレンは高木就任前の19試合で32失点(リーグワースト3位)だったが、就任後の18試合ではわずか11失点と劇的に改善された。

しかも、守備に重きを置くことで懸念された攻撃力の低下も阻止。高木就任前の19試合で32得点(リーグトップ)の攻撃力を維持し、就任後の18試合でも30得点を挙げている。